福祉タクシードライバーは働きやすい職業だが知識は必要

介護タクシードライバーには介護の資格が必須であるのに対して、福祉タクシードライバーは普通自動車第二種免許さえ持っていれば業務を行うことができます。しかし高齢者や障がい者の利用が主であることから、どういった対応が望ましいのかという知識を持っておく必要はあります。もしも介護の資格を取得することに対してハードルが高いと感じているならば、「サービス介助士」や「ユニバーサルドライバー研修」の取得をおすすめします。あらゆるサービス業に従事している人や、一般的なタクシードライバーにも役立つ資格です。

福祉タクシーは高齢者や障がい者の利用が主であり、用途は通院や買い物、冠婚葬祭など日中に行われるものがほとんどのため、深夜勤務がないのが特徴です。働く時間に制限のある人にとっては働きやすい職業と言えますが、決して簡単な仕事ではありません。一般的なタクシーとも介護タクシーとも違う、福祉タクシーとしての注意点を把握しておく必要があります。ただの移動手段ではなく人と人が関わる場である、という意識が質の良い仕事につながっていくでしょう。

自治体によっては、障がい者の移動に対して料金の助成を行っている場合があり、その中には「福祉タクシー券」というものがあります。利用条件や適用になるサービス内容は自治体によって異なりますので、十分に注意が必要です。その他、身体障害者手帳や療育手帳を提示すればタクシー料金が1割引になる制度もありますが、その割引分はタクシー会社が負担しているというのが現状です。利用者にとってもタクシー会社にとってもより良い環境作りのため、行政には体制の改善が求められます。