移動が困難な人を支える介護タクシーと福祉タクシー

私たちが普段から何気なく利用しているタクシーは、移動のために車椅子やストレッチャーが必要な人にとっては、使いやすい交通手段であるとは言えません。高齢化が加速し続ける近年の日本においては、そういったニーズに対応するタクシーも増えてきました。今後さらに需要が高まるとされており、国もこの動きに力を入れています。当サイトでは、高齢者や障がい者が安心して移動できる車両やサービスを用意しているタクシーを「福祉系のタクシー」として、その現状を紹介します。

高齢者や障がい者が快適に移動できるようにサポートしてくれる福祉系のタクシーについて、「介護タクシー」「福祉タクシー」「UDタクシー」の3種類に分けて紹介します。これらは通称であり、正式にそういった名前の介護サービスが存在するわけではないので、サポートの内容には地域やタクシー会社によって違いがあります。しかし、すべて車椅子やストレッチャーのまま乗車できるような福祉車両を利用しており、公共交通機関での移動が困難な人にとって強い味方であると言えるでしょう。

介護タクシーの利用には、介護保険が適用されます。訪問介護に属するサービスであるため、用途は通院や公的機関への外出など必要最低限のものに限られますが、手ごろな料金で利用することができます。また、介護タクシーのドライバーは介護の資格を持っているため、移動だけでなく乗降時の介助なども行ってくれます。一般的なタクシーとは違い、事前にケアマネージャーと相談しどの程度の介助が必要なのかを決定した上で、事業者と内容を確認し契約が完了してはじめて利用することができます。

福祉タクシーは介護タクシーと同じく福祉車両を利用していますが、ドライバーが介護の資格を持っていることは必須ではなく、介護保険も適用されません。しかし用途が限定されないため旅行や冠婚葬祭、買い物、美容院といった生活の質を高めるための外出にも利用することができます。ドライバーからの介助は受けられない場合もありますが、家族の同乗が可能なので十分対応することができるでしょう。予約の際はケアマネージャーを介さず、直接事業者に問い合わせます。