福祉タクシー券についても知っておこう
障がいのある人の交通費助成
自治体によっては、重度の障がいがあり自宅で生活している人の交通費を助成する制度があります。主な内容は、バスや電車などの利用が割引になったり無料になったりする「福祉乗車証」、所有している自動車での移動に際してガソリン代を助成する「福祉自動車燃料助成券(燃料券)」、そして福祉タクシーの利用料金を助成する「福祉タクシー券」などです。
しかし助成制度がない自治体や、上記とはまた違った名称で助成を行っているところもあるため、福祉タクシードライバーとして勤務するのであれば近隣自治体における助成制度について調べておく必要があるでしょう。「福祉タクシー券」という名称が同じであっても利用条件や申請方法に違いがありますので、よく確認しておきましょう。
福祉タクシー券の概要
上記のように自治体によって助成の内容に違いがありますが、その一例を紹介します。主な交付条件は「身体障害者手帳」や「療育手帳(愛の手帳)」を持っていること、また自宅で生活していることです。各自治体が契約しているタクシー会社のサービスのみに有効なので、ドライバーはまず勤務している会社がこれに該当するかどうかを知っておく必要があります。
また、リフトつきの車両かそうでないかによって券の種類が違ったり、予約料や送迎料、オプション機材の使用料など、どこまでが助成対象になっているかにも違いがあったりします。
改善が求められている
有効活用できれば障がい者の移動をスムーズにすることができる福祉タクシー券ですが、自治体によって内容が違うことから利用を躊躇してしまったり、そもそもそういった助成があることを知らないまま過ごしている人もいます。行動範囲を広げることは、豊かな生活にもつながります。各自治体は、こういった助成があることをわかりやすく、広く告知していく必要があると言えるでしょう。
身体障害者手帳や療育手帳を提示することによってタクシー料金が1割引になるサービスは、福祉タクシー券とは異なり全国で同様に受けることができます。しかしこの1割分は、行政ではなくタクシー会社の負担となっています。大規模な会社であればそういった予算も考慮しておくことができるかもしれませんが、小規模の会社や個人事業主にとっては決して少なくない金額となります。障がい者のより豊かな生活と、それを移動という面からサポートするタクシー事業者が安心してサービス向上に努められる環境作りのため、行政には体制の改善が求められます。
移動に制限がある人の快適な外出のために
需要が高まる福祉系のタクシー
ますます高齢化が進んでいる日本では、老化によるものや障がいがあるという理由で、公共交通機関での移動が困難な人が増えています。そのような人たちを支えるため「福祉系のタクシー」が増加しており、国もこの動きに力を入れています。
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