介護ドライバーという働き方もある
「介護ドライバー」とは?
介護タクシードライバーと似ていますが、利用者の移動と介助を行う仕事として「介護ドライバー」という働き方もあります。介護ドライバーとは、デイサービスなどの通所介護において介護施設と自宅との間を送迎するドライバーのことを指します。介護タクシーのように通院などの送迎は行いません。仕事内容は、朝に高齢者の自宅をまわり利用者をピックアップして介護施設に送迎し、夕方には介護施設から自宅に利用者を送り届けます。朝と夕方の送迎以外の時間は、施設の職員が兼任している場合には一緒に施設に入り通常の介護業務を行います。
介護ドライバー専任の場合はほとんどがアルバイトであり、送迎の時間以外は拘束時間とはならず給与が発生しないため、この仕事1つだけで生計を立てるのは難しいでしょう。そのため他の仕事と掛け持ちしていたり、現役を引退して時間に余裕のあるシニア世代が専任として働いていることが多いようです。中には介護ドライバー専任の正社員として、送迎以外の時間を施設の掃除や介護助手の仕事に充てている場合もあるようです。
介護ドライバーになるための条件
介護タクシードライバーは移動に対して料金が発生するため普通自動車第二種免許が必要ですが、介護ドライバーは送迎に別途料金が発生するわけではないので普通自動車一種免許があれば業務を行うことができます。ただし、ワンボックスカーやワゴンタイプの車両を運転することになるので、普段から大きめの車両に慣れていることや高いドライビングスキルが必要となります。
また、介護の資格がなくても介護ドライバーとして働くことができますが、送迎の際に介護福祉士が同乗しない場合には介護職員初任者研修以上の介護の資格が必要です。どちらにせよ命を運ぶ仕事であり、高齢者を乗せているということから、きめ細やかな気遣いは必須と言えます。車内の空調に注意を払ったり停車する際に声をかけるようにするなど、他の送迎業務よりも考慮すべきことが多いのが介護ドライバーという仕事の特徴でしょう。
どんな人が向いているのか
介護職員として介護ドライバーを兼任する場合には通常の介護職員と変わりない給与となりますが、専任のアルバイトとして働く場合には時給1,000円程度が相場であり、1日4~6時間ほど、週に3~5日ほどの勤務になるので収入面ではあまり期待できません。しかし他の仕事と兼務するのが可能な場合や、収入面にそれほどこだわりがないのであれば問題ないでしょう。
介護施設と自宅との間の送迎を行う仕事なので、「運転が好きな人」「お年寄りと接するのが好きな人」が介護ドライバーに適任と言えます。介護の資格がなくても始めることができ、介護ドライバー専用の安全運転講習なども開かれているので、興味がある人は挑戦してみると良いでしょう。気遣いと冷静な対応が求められるので、穏やかな性格の人にも向いています。
移動に制限がある人の快適な外出のために
需要が高まる福祉系のタクシー
ますます高齢化が進んでいる日本では、老化によるものや障がいがあるという理由で、公共交通機関での移動が困難な人が増えています。そのような人たちを支えるため「福祉系のタクシー」が増加しており、国もこの動きに力を入れています。
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